フォト日記(2004年3月)


3月28日

ここ数日の晴天で融雪剤が撒かれた畑の雪がどんどんと融けてきました
先日上富良野のサリーリさんに行った時のこと
近くの畑ではもう緑の小麦が顔を出していてびっくりしました
毎年のことですが いつまでも続くように思える雪景色も
時期が来るとちゃんと融けるものなのですね
雪が融け始めると 木々たちも活動をはじめ地中から水を吸い上げ 
枝は生気が満ちてきて とてもきれいな色になります
芽吹きまではまだ1ヶ月以上ありますが
これから日に日に景色も変わり
時の流れが急に早くなる そんな季節でもあります
私も春に向ってまずは大きく伸びをして
胸いっぱいに空気を吸おうと思います

節子




3月24日

お天気のいい日
食堂や居間のイスに座っているとお日様の暖かさが気持ちよくて心がくつろぎます
休館に入り 食堂の冷蔵庫の電源なども切っているので
いつもよりさらに静かで 時折餌を啄ばみにきた小鳥の声が聞こえるだけです
そんな時間を過ごしていると
常日頃 過去のことを振り返って後悔の思いにかられたり
これからのことを思い悩んで心配したりしていることがふっと遠のき
「今」を充分に感じる心のゆとりが生まれてくるような気がします
窓の外に広がる景色は 刻々と変わり一日として同じ朝も同じ夕べもありません
そういう意味では 常に「今このとき」を感じることのできる恵まれた環境にいるんだなぁと思います
美瑛を何度も訪れてくださる多くの方たちもきっと
日が昇り日が沈む 誰にでも等しく流れている自然の穏やかな時の流れを実感したくて
足を運んでいらっしゃっるのでしょうね

節子




3月21日


何日かぶりのすっきりと晴れた朝
窓を開けると どこかで融雪剤の散布をしているのかスノーモービルのうなりを上げる音が聞こえてきます
お客様の朝食が始まるころには ご近所の大滝さんのモービルが現れて
とぅもろう前の畑にも次々と輪が描かれていきました
きっとモービルに乗っている方は融雪剤の黒い粉で真っ黒になって大変な思いをされているのでしょうけれど
見ているほうは まっ白な畑の上を颯爽と走っている姿はとても気持ちよさそうに見えます
3月も20日を過ぎこれからは日に日に畑の雪も融けていくことでしょう
昨夜は とぅもろうにも置かせていただいてる雑誌「East Side」の編集長さん御夫妻が来てくださり
次号の記事の取材を受けました
取材というよりはこれまでの11年を振り返り 楽しくお話ができ
また同じ位の頃に北海道に移り住み 羊飼をされている御夫妻のお話は興味深くて 
こちらのほうがいろいろ教えていただきたいことばかりでした
他の雑誌とはひと味違い本音にせまる記事の多い「East Side」
どんな記事になるのか楽しみです(でもちょっと恐いかも)

きょうからとぅもろうは1ヶ月間の休館に入ります
今月いっぱいは 4月から1人暮らしをする次男の引越し準備に追われそうですが
4月になったら 花の種を蒔いたりビニールハウスの準備など始める予定です

節子





3月15日

お客様のいらっしゃる日は夕方食事作りに忙しく なかなか夕陽を見ることができません
きょうはお客様もなく 
久しぶりに夕空も晴れわたっていたので夕陽を見にでかけました
どこに行こうかと迷ったのですが とりあえず拓真館方面へ
道々空を眺めていると 澄んだ空にオレンジ色の夕陽が傾いていきます
拓真館の近くの二棟の小屋の見えるあたりで車を止め 西の方を見ると
夕陽に照らされた雪面がオレンジ色に染まり その陰影がとてもきれいでした
哲学の木や3本の白樺の木など写真に撮りながら また戻ってみると
今度は 昼間の暖かさで路面に溶け出した雪がまた凍りはじめていて
うっすらと凍りはじめた道路に夕陽が反射していました
暖かな春の気配のする3月の日中と まだ冬の名残りの寒さの夕方
今の季節の姿がその路面に現れているようで 自分でも気に入った一枚になりました
左のほうに目をやると さっきは気づかなかったのですが 
融雪剤が撒かれた畑があり 「今年一番の春見つけ!」と
心の中でつぶやきました

節子




3月10日

毎年3月半ば過ぎ頃から 秋蒔き小麦の畑の上では
スノーモービルを使っての融雪剤の散布が始まりますが
2月に入ってからの記録ずくめの不安定な天候で
今も畑の上は厳冬期のような雪景色が広がっています
今朝はさほどの冷え込みではなかったものの昼夜の寒暖差や霧氷の付着する条件が整ったのか
久しぶりの霧氷におおわれた朝を迎えました
用事で一番列車の発着した後の美馬牛駅の線路を渡ろうとすると
一人黙々とホームの除雪をしている佐藤商店のおばあちゃんの姿がありました
13年前に美馬牛での暮らしを始めた頃
毎日列車の発着時間に合わせて お店から手さげ金庫を下げて列車の切符を販売していた姿を
昨日のことのように思い出しました
美馬牛駅を支える 地域や観光の人達の美馬牛駅長さんは
佐藤商店のおばあちゃんですね

行輝




3月7日


昨日は宿泊のお客様と一緒に
丘の上の小さな美術館で5日から開催されている飯塚達央さんの写真展に行きました
過疎の町の歴史を刻んだ古びた駅舎
廃校になってもう何年も経つ校舎
街の生活者に寄り添うような北の町の食堂
などがモノクロの写真に切り取られていて
私の知らない北海道がいっぱいあるなぁと思いました
意識していないと出会えないもの
ふと通り過ぎてしまうもの
忘れ去られてしまっているものたちを 飯塚さんは暖かい目でみつめ
私たちに見せてくれました
写真展は3月28日までの金・土・日の11時から5時までです

きょうの写真は模範牧場手前の橋から見た美瑛川と
模範牧場の中に並ぶ木々です
昨日久しぶりに行ってみたのですが 
道の脇には2メートル以上の雪の壁ができている所もあり
風も陽射しもまだまだ真冬の様相でした

節子




3月4日

3月になったとたんに寒さが戻ってきてしまったようです
昨日は久しぶりに冷え込みとともに朝から晴れ 
写真撮影が目的でいらしていたお客様が4日目にしてやっと朝日を見ることができ
喜んでいらっしゃしました
写真は昨日のとぅもろう前の雪面の拡大写真
お天気がいいと本当に雪面がきれいです
左は去年植えたミズナラの木が湖の中の立ち木のように見えます
右は窓のすぐ下に積もった雪 
ダイヤモンドダストがキラキラしていたのですが 上手に写りませんでした
本州方面も雪がちらついたりして寒さが厳しいと天気予報で見ましたが
みなさんどうぞ風邪などひかれませんように
でも桜の開花予想もでて 春の足音が聞こえてきましたね

節子




3月2日

友達のお宿に遊びに行った帰りに 哲学の木の前を通りかかったので
一枚写真を撮りました
きょうも晴れたり曇ったり雪が降ったりの変化の激しい一日で
その時は空の半分以上が薄暗い雲で覆われていたのですが
哲学の木の東側の空は澄んだきれいな色でした
きのうまでの暖かさも風と一緒に吹き飛んで
肌を刺すような冷たい空気の中に 哲学の木は凛と立っていて
かっこいいなぁと思いました
大地にすっくと立つ姿はいつ通りかかっても存在感があって
自分の気持ちも しゃんとするようです
我が家の子ども達も3月になってバタバタと進路が決まり
旅立ちの春が来るんだなぁと
感慨深い思いです

節子

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