フォト日記(2009年7月)

7月30日

本当によく雨が降りました
旭川の7月の雨量は平年に比べ2.9倍
日照時間は平年比5割だったようです
秋蒔きの小麦も7月20日を過ぎると刈り取りが始まりますが
畑がぬかるんでいるので まだ刈り取り風景を見かけません
雨で茎ごと倒れてしまっている所もあり
実が雨を吸収して発芽してしまう「穂発芽」と呼ばれる状態のところもあるようです
また7月はじゃがいも 玉ねぎ 米などの作物の実入りを左右する時期でもあり
一日も早い天気の回復が切望されています
とぅもろうの夕食後のアイスクリームに 夏はメロンを添えてお出ししていますが
メロン農家の金太郎農園さんも
「晴れてくれないと メロンが完熟しないんだよ」と嘆いておられました
畑で完熟させるのがおいしさの秘訣とのこと
小豆を作っておられる農家さんは 株が大きくならなくて…とやはり嘆いていらっしゃいました
天気予報を見ると 明日からは晴れマークが並んでいます
やっと…
予報通りに晴れますように…

雨模様の中いらしてくださっているお客さま
晴れていたら 山も見えるし 花もきれいな時期だし
夜は星も見えるのに…と思ってしまうのですが
皆さま お天気の晴れ間を見て 自転車に乗られたり
散歩されたり ノロッコ号に乗って花畑に行かれたり
とぅもろうの庭でくつろいだりして楽しんで下さっています
香港や台湾 シンガポールなどからいらした方たちも みんな元気で楽しそうで
パワーをもらいながら これからのシーズン後半私たちも元気に過ごしていきたいと思っています

写真はなかなか夏の風景が撮れなくて とぅもろうの庭です
草と同居の花たちですが
春に種を蒔いた花も咲き始め そんな花を眺めつつ庭を歩くのが私の楽しみの一つです

宿根のミニヒマワリ
元気の出るオレンジです
紫系の多い庭で目立っています
今年はちょっとだけ植えた亜麻
繊維の麻の原料になる植物です
朝咲いた花は お天気のいい日ですと
昼には全部散ってしまい
翌日はまた次の蕾が開花します
とぅもろうの入り口の花壇に咲く
アスチルベ
ここに越してきた時
ご近所の方にいただきました
この濃いピンクが何ともいえずいい色で
とても気に入っています

節子




7月21日


雨や曇り そして低温の続くこのごろです
美瑛岳 トムラウシ山 どちらもとぅもろうから見える山ですが
その山で痛ましい事故が起こってしまいました
お天気さえ良ければ 
北海道のさわやかな7月の山の素晴らしさを感じながら
無事下山できたことと思います
自然は 特に高い山では 時に荒々しく姿を変えます
本当に悔やまれる痛ましい事故でした

今年は本当に低温で 陽射しが出れば気温も上がるのですが
雨や曇りの日は寒いくらいになってしまいます
また変わりやすいお天気ですので
どうぞご旅行の際には これからも肌寒い日もあるかと思いますので
一枚寒さに備えたものをお持ちください

18日から道立旭川美術館で
絵本作家・あべ弘士さんの個展「動物交響楽ー交差するいのちの詩」が開かれています
300点の絵本原画に加え
「アフリカの風」コーナーでは「作家の行動展示」としてパネルが120枚
立体的な展示というのが迫力もあり面白そうだと思いました
開催は10月4日まで
私も夏が終わり 宿が一段落したらぜひ行ったみたいと思います
皆さんもいかがですか?

写真は一番上は色づいた秋蒔き小麦
お天気のいい日には麦の色も一層鮮やかになります
もうそろそろ刈り取りの時期でしょうか
2枚目同じ麦でもたぶんビール麦だと思います
穂に生えているひげが長くて 色も黄色っぽくとてもきれいです
3枚目は昨日の十勝岳連峰
昨日は久しぶりにいいお天気で
3連休の最終日 やっとお天気に恵まれよかったです

とぅもろうの庭にも数は少ないですが
ラベンダーが植えてあります
満開になったラベンダーと
その向こうの花は咲き始めたリアトリスです
リアトリスとラベンダーとオレガノ
雨が多いのでどっと草も生えてきました
今朝久しぶりに庭を歩きながら
こんなに草が!と
ちょっと愕然としましたが
とぅもろうの庭は草と共存!です
白と紫のどちらもオレガノです
硬い重粘土の土にもめげず
どんどん広がってくれる嬉しい花です

節子




7月15日

雨がつづいたかと思うと 突然良いお天気の日もあり
でもまた雨が…
こんな天気ですがいつも間にか小麦がいい色になってきました
雪の下から目覚めたまだ小さな小麦が5月6月とどんどんと成長し 穂を出し
だんだんと黄色に色づいていきます
そして今度は小麦色に色づき
そしてだんだんとキツネ色になっていきます
この色の変化もその年その年ちょっとづつ違うような気がしています
今年は黄色がとてもさわやかできれいだったし
小麦色がオレンジがかっていてとても鮮やかに見えます
寒くって雨も多いのですけれど…
年によっては黄色からくすんだ茶色になってしまうこともあるんですよ
きっと気候条件と微妙な関係があるんでしょうね
小麦が色づくと丘の色彩もメリハリが生まれて
より一層美しさを引き立ててくれるようです


節子




7月10日

とぅもろうのオープン前の話になりますが
「車イスの方にもご不便をおかけすることなく使っていただけるような宿にしたい」と決めてから
あれやこれやと家の造りについて考えていました
スロープの角度 玄関の段差の解消 トイレの広さや便座の配置 
浴槽の高さや脱衣所と浴室の段差の解消  洗面台の高さ 食卓のテーブルの高さや広さ
廊下の幅 電気のスイッチの位置などなど
仕事で少し車イスの方との関わりはあるものの
わからないことばかりでした
本を読んだり 図面を書いたり 模型を作ってみたりしましたが
今ひとつ本当に使えるのかどうかわからず困っていた時
ふと旭川の街中で「障害者問題考える会」という看板を見かけ訪ねて行ったのでした
確か図面を見ていただいたりして 何点かのアドバイスをいただいた記憶があります
障害者問題を考える会とはそれからのお付き合いで
とぅもろうの玄関に「ふれあい号」という
下肢に重い障害を持つ方の外出ボランティア・カーの運営のための募金箱を置き
皆さんにご協力いただいています
障害者問題を考える会では月に一度「この指とまれ」という機関紙を発行していて
きょう7月号が送られてきたのですが
代表の中野さんという方の随想で 「沖縄からの平和の祈り」と題する文章に目が止まりました
その中で小学6年生の比屋根憲太君の「平和の祈り」という詩が引用されていて
(沖縄県平和祈念資料館が主催する「児童・生徒の平和メッセージ」詩部門の最優秀賞作品)
それがとても心に残り このフォト日記にも引用させていただきます

「平和の祈り」

石に刻まれた家族の名に
涙を落とす祖母
なんの形見も残っていない石に
声にならない声で
石をさすり
石をだきしめる
小さな声でとても小さな声で
「本当は話したくないサー」
少し首をかしげて空を見上げる
人さし指の大きさの大きな傷
あごと左腕に残る
戦争の傷あと

祖母は傷の手当てをするために
水くみに行った
防空壕に姉を残し 母と二人で
そのあとすごい光と音が…
そのまま姉はもどらなかった
「いっしょに連れて行けばよかった」
「ごめんね ごめんね」
と何度も何度も
きたときよりも
石を強くさすり
石を強くだきしめる
ぼくはもう声を上げて泣いていた
そして祖母の背中をずっとさすった
こんな青い空に
こんなおだやかな沖縄に
戦争は似合わない
祖母のくしゃくしゃな涙も
似合わない

そんな祖母はもう今は歩くことができない
毎日毎日空を見て
きっと
生きている喜び
生き残った悲しみを感じて
いるのだろう
僕は車イスをおして
祖母の祈りを引きつぐ
戦争のない平和な国を

戦争の傷跡は今もいたるところに残っています
先日は台湾から10人のご家族がいらっしゃいました
一番年長のおばあさんが日本語が上手で 他のご家族と私たちの会話を全部通訳してくれて
とても助かりました
でもおばあさんが日本語が話せるのは 
たぶん半世紀に亘る日本による台湾統治という悲しい歴史の故なんだと思うと
とても複雑な思いになりました
そんなことは おくびにも出さず とても気さくで
「台湾の私の家にぜひ遊びにいらっしゃい」と言って下さるおばあさん
国や民族は違っても 私たちは友好の輪を広げることが出来る
その根底になくてはならない一番大事なもの
それが「平和」なんだと思います

今朝は気温が8度でした
7月なのに!
しまい込んだ長袖を出してきて着ていますが
明日には平年並みに戻るようです
今年はエルニーニョという予報もあり もしかしたら低温の夏になるのかもしれませんね
写真は
一番上はとぅもろうの窓から
黄色く見えるのは 秋蒔きの小麦です
そろそろ色づき始めています
2枚目 3枚目はクリスマスツリーの木とキカラシ
畑も色彩豊かな季節を迎えようとしています

節子




7月5日

今年もあれよあれよという間に7月です
とぅもろうも6月下旬からお客さまが増え にぎやかな毎日
夏は車イスをご利用になっていらっしゃるお客さまもいらして下さったり
小さなお子様
外国のお客さまも多いです
一夜一夜宿の雰囲気も様々ですが
宿泊のお客さまと私たちとで作る「一夜限りのかけがえのないもの」という気がします
一日一日を大切にしたいと思います

美瑛までの買出しの道をその日の気分やお天気で変えているのですが
きょう5日ぶりに通った道の風景が
前回とがらりと変っていました
じゃがいもの花が咲き キカラシの花も咲いて
この間はそんな気配を全然見せていなかったのに…
それとも私が見過ごしていたのかな
いつの間に大きくなって いつの間に咲いたの?とびっくり
このところ お天気も良く 気温も高めなので みるみるうちに咲いたのでしょうね
嬉しい驚きでした
毎年蒔いているコスモスとヒマワリの種を
今年は丸く
そして互い違いに蒔いてみました
ヒマワリは7月下旬
コスモスは8月中旬から秋まで
咲き続けます
咲く時期がちょっとずれるので
どんな風になるかわかりませんが
楽しみです
円の中心は「丸十」のようになっていて
入って記念写真が撮れる様にしてみました

節子