フォト日記(2010年4月)

4月29日

しばらく宿の営業を休んでしまうと
再開初日はどうしてもあたふたとしてしまいます
いつまでたってもベテランとは言えないですね
お休みしている時はひっそりとしている空間も
お客さまがお出でになると急に活気を帯びて活き活きとし始めます
「ああ 宿なんだなぁ」と感じる嬉しい瞬間…
私たちもだんだんと気持ちが戻り 動きもスムーズになっていくのです
そういえば明日30日はとぅもろうのオープン記念日
1993年の開業ですから丸17年 18年目が始まります
あの頃を思い出すと それはそれはすごいあたふたぶりでした
そう思うとちょっとはベテランになってきたのかもしれません

昨日 今日とお天気は荒れ模様
強い風が吹き きょうは雨も降りました
夕方お客さまもみなさん早くに帰ってこられてくつろいでいらっしゃいましたが
「外がきれい」という声が聞こえたので見てみると
山がすっきりと姿を現し 夕陽の照り返しで薄ピンクに染まっていました
悪天がすうーっと影を潜めて 突然こんな風景をみせてくれることがあるのです
良く見ると山には雲の影も写って不思議な感じでした
お天気はあさってくらいまではすっきりしないようですが
2日からは春らしいお天気が期待できそうですよ

節子





4月27日

やっと春らしくなってきましたよ
この春初めてトラクターが畑を耕している光景も目にしました
朝から快晴でしたので
農家さんもこのお天気を待ちかねて畑に出たことでしょう
私は昨年の秋から続けている「歩こう会」のメンバーと
約3時間のウォーキングを楽しみました
この会には「晴れ女」がいるらしく
月1回の歩く日はほとんどが晴れ!
それも飛び切りの晴れの日が多いのです
この会は歩くのが好き!な人たちの集まりですが
美瑛のお薦めの歩く道をみなさんにご紹介したいというもう一つの目的もあり
昨年秋から「まずは北瑛から」ということで歩く道を模索してきました
イギリスやドイツなどのように「歩くことを楽しむ道」が美瑛にも作れたら…
「歩くという文化」を美瑛で育てることができないものか…と
いろいろ楽しみつつ模索してきました
もちろん公道は誰でもが歩ける道ですし 景色のいいところもたくさんあります
ただそのほとんどが舗装されてしまっているので
できたら土の道を歩きたいという思いで あの道この道と探していたのです
でもなかなか見つからず 今回は農家さんのご好意で
牧草地の脇や畑の畦なども含めて歩くことができました
待ちかねた春の空気を吸いながら
畑の向こうに広がる雄大な山々を眺めたり
丘の起伏が見せてくれる風景の変化に驚いたり
道端に咲く福寿草やエゾエンゴサク 水芭蕉などに歓声をあげたりしながら
美瑛を満喫しました
この風景をどなたにも楽しんでいただけるように地図にしたいという思いは皆持っているのですが
今回のコースは私有地が含まれているので
できたら10月ごろにまた農家さんの許可をもらい
お客さまにもお知らせして いつもよりはちょっと大きな「歩く会」を催しては…ということになりました
また詳しくはHPでお知らせしますので
歩いてみたい方はぜひご参加くださいね


明日から営業再開です
旭川の男山自然公園や北邦野草園などでは
カタクリやエゾエンゴサクなどの野草が開花しているようですし
きょうは水芭蕉が咲いているのも見かけましたので
GWには楽しめることと思います
今年はふきのとうもまだ小さく食べごろですし
きょうは茨城の実家から採り立ての竹の子も届きました
GWには春の香りを食卓にのせることが出来ることと思います

写真は上から 美馬牛の春耕風景
2枚目は今日歩いた北瑛のわたあめの木
3枚目はとぅもろうの窓から見えた今夜のお月さま
小さい写真はきょうの「歩こう会」の様子です

*5月の連休明けのお休みの予定がちょっと変わりました
その頃にご宿泊の計画を立てていらっしゃる方はトップページでご確認下さい

節子




4月23日

春は本当にやってくるのかしら?と思ってしまうような気候が続いています
冬の続きのような空模様を眺めていましたら ふと
倉本總さんのラジオドラマ「マロース」のことを思い出しました
あの物語は冬将軍のお話だったのです
シベリアから冬に飛来してくるマガモやハクチョウたち水鳥が
富良野のある沼で大量死したことからお話は始まります
たまたま近くの養鶏場で2羽のニワトリが死んだことから鳥インフルエンザと結び付けられ
沼の水鳥たちは人間たちに処分されてしまいます
必死に飛び立とうとする鳥たちも散弾銃で打たれ わずか数羽が生き残ります
鳥たちの大量死は
実は30年ほど前の化学薬品の不法投棄が原因だったのではないかなどの噂も流れます
そんな不穏な気配の中
ある夜大嵐が吹き荒れ 生き残ったものの記憶をなくしたオオハクチョウ「マロース」が
人間に姿を変え「ぶなの森」という名前の喫茶店に逃げ込んでくるのです
そして「ぶなの森」に住む女性に助けられたマロースは 記憶を失ったまま
穏やかな時間を過ごし始めました
このマロースこそが「冬将軍」だったのです
シベリアに帰ることを忘れてしまった冬将軍が富良野に居続けるかぎり
春はいつまでたってもやってこない
いつもなら花が咲く時期になってもまるで冬のよう…
お話は記憶を取り戻したマロースが 気持ちを残しながらも女性に別れを告げ
シベリアに飛び立ち 遅い春がやってくるというお話でした

まるで「マロース」のお話のよう…と思うような今年の4月ですが
でも少しつづ少しづつ春はやってきているのでしょうね
あまりにも花壇の雪がとけないので きょうスコップで雪をはねたら
下からサクラソウが顔を出していました
「春一番に咲く花だよ」と花屋さんに勧められ昨年植えた花です
ほかにも昨年植えた宿根草が緑色の葉を伸ばしているのを発見
何を植えたかはもう忘れてしまっているので 咲いてのお楽しみですが…

それから楽しいお知らせがあります
富良野に六花亭ができたんですよ
場所はワイン工場の近くのとても見晴らしのいいところで 昨日オープンしたようです
「カンパーナ六花亭」ではおなじみのお菓子の販売のほかに
喫茶室も併設されているとのこと
また中富良野には予約制でランチをいただくことができる「六花山荘」も
きょうオープンだったようです
富良野を訪れる楽しみが増えますね
また富良野の街中には「フラノ・マルシェ」もオープン
富良野の農産物の販売やスイーツのお店も充実しているようです
私はまだ行っていないのですが
楽しみですね

写真は昨日のもの
宿の集まりで北瑛方面に行きました
雪解けのマイルドセブンの丘です

節子





4月17日

14日の水曜日は4月には珍しい吹雪
融け始めていた雪がまた積もり 一気に冬の世界へ…
でも昨日きょうと晴れて また雪も融けて来ました
写真は昨日の拓真館近くのあの小屋です
拓真館も冬の休館が終わり 10日から開館しました
拓真館には1年に一度行くか行かないかくらいですが
やはり開館していると思うと何となくほっとした気分になりますね
春はまだそんなに混み合わないと思いますので
写真をじっくり鑑賞するのにはいい季節です

最近読んだ本の中でとても心に残る本がありました
北海道新聞の書評で読み 買ってみようと思った本で
「くらやみの速さはどれくらい」(エリザベス・ムーン著)という本です

主人公は35歳のルウ・アレンデイル
近未来の話
主人公は自閉症で その時代自閉症は幼児のうちに治療すれば治るようになっていたが
ルウは治療法が確立される前に大人になってしまった最後の世代だった
触感や匂い 色や音に敏感で 人の顔を判別したり 早口の話が聞き取れなかったりして
社会生活を送る上で日々苦労を味わっていたが
製薬会社に勤め 趣味のグループにも入り自活していた
ある時 画期的な治療法が開発され
 治療を勧められたルウは 今のままが自分なのだと思う一方
自閉症ではない自分になりたいという気持ちの間で決断を迫られ…

本の大部分はルウの言葉で語られています
日々の暮らしの場面場面で 触感や音などの刺激を敏感に感じ嫌な気持ちになったり
駐車場では 車の色と台数を瞬時に数えてしまったり
表情の持つ微妙なニュアンスの理解が難しいので 
話している相手の言葉と表情の不一致に悩んだり…
でも風の流れや光のきらめきに自然界のパターンを読みとったり
宇宙の成り立ちに心惹かれたり
音楽の中に法則を見つけ 深く感じることもできる
子どもの頃は自分に合った方法で自転車の乗り方も覚え
今は自分の脳がどんな働きをしてるか知りたいと思い
専門書を短時間に理解することもできる自分に驚いたりしている…

お話の筋も興味深かったですが
ルウの語る言葉が自然界や人間の成り立ちの本質を私に語りかけてくるような気がして
一気に読んでしまったのでした
読み進めるのがもったいないような思いのする本でした
著者のエリザベス・ムーンは息子さんが自閉症で
モデルにはしていないが この本を書くきっかけになったようです
本の題は息子さんの質問がヒントになったとのこと

…「光の速さが秒速18万6千マイルだとしたら暗闇の速さはどの位なの」
それに対し私は「暗闇には速さはないのよ」と答えました
すると息子は
「暗闇の方が速いはずだよ だって最初に暗闇があるのだから」
と言ったのです…
(本の解説より抜粋)

とぅもろうの本棚に置いてありますので
興味のある方は見てみてくださいね

節子





4月13日

写真は昨日の朝のもの
だいぶ雪が解けてきました
きょうは強い風が吹き 雨も降りましたので 残りの雪もわずかになりましたが
明日はまた雪の予報です
本州でも寒い日が続いているとのこと
うららかな春が待ち遠しいですね
私たちもGW前に 雪の下に埋めておいたじゃがいもを掘り出したり
ビニールハウスの準備をしたり 花壇の整備をしたり等々の外仕事にかかりたいなと思っているのですが
花壇や畑にはまだ雪があり 思うように進められません
昨年植えた苗木は無事枯れずに ネズミやウサギにもかじられず冬を越したかしら
やはり昨年種から育てた宿根草たちは今年芽を出してくれるかしらといろいろ気になりますが
もう少し暖かくなったら 様子を見に行こうと思います
いつも芽を出す水仙とかたくりがちょっとだけ姿を現してくれたことに
春の訪れを感じます

節子




4月8日

小学校や中学校も新学期が始まり
かわいらしい1年生も登校を始めたことでしょう
我が家はもう子どもたちも成人しているので
きょうの写真のような雪景色を見ていると 新学期が始まった実感がなかなか沸いてきません
なんだかまだ冬の続きのような気持ちでしたが
もう4月も1週間以上過ぎてしまったのですね
ここ3、4年 雪解けが早かったと記憶しているのですが
今年は雪解けが遅れているのです
それでもきょうは朝から快晴で 所々畑も秋蒔き小麦や土が見え始めました
この春初めてのふきのとうも見つけました
気温もだいぶ暖かくなってきたので これからどんどん雪解けも進むことでしょう
おとといから3日間 春恒例の味噌作りをしました
いつものように宿仲間と一緒に協力しあいながら
麹作りから始まり 大豆を茹でたり 出来上がった麹と大豆 塩を混ぜ 樽に詰めて
3日間の工程でやっと出来上がります
時間はかかりますが 一度仕込めば
1年間美瑛産の大豆とお米で作ったおいしい味噌が食べられるのですから
やはりやめられません
美瑛に越してきて2年目から始めましたので
今年で19回目の味噌作りでした 
今回は味噌を作りながら ほかにも美瑛産のいろいろなお豆を蒸して
いつでも使える蒸豆のストックや豆のピクルスも作りました
出来上がった大量の豆や味噌を見ていると
気持ちも「ドンと来い」(?)と大船に乗ったような気になりました

節子