フォト日記(2011年12月)

12月27日

気が付いたらもう今年もあと4日なんですね
たくさんの悲しいことが起きてしまった年でした
津波で家族を失ってしまった方の悲しみが癒える日はいつ来るのでしょう
一瞬にしてなくなってしまった町 そして明日も続くはずだった日々の暮らし
原発の被害で故郷を追われた人たちが家に帰れる日はいつ来るのでしょう
空気も食べ物も安心して口にできなくなるなんて
考えもしないことでした
子どもたちが遊び駆け回る野原も汚されてしまいました
原発の危険を感じながら
「仕方がない」とあきらめていた自分にも腹が立っています
そんな年があと4日で暮れようとしています
私にできることはあまりにも少ないですが
「今」のこの思いを忘れずにいようと思います

3枚目の写真はとぅもろうのクリスマスケーキです
「美瑛ちょこっと旅プレゼント」で石巻の渡波小学校に避難されている方たちをお招きしたのは
6月初めのことでしたが
とぅもろうに泊まってくださった方がクリスマスにと手作りの白いクッキーを送ってくださいました
そのクッキーをケーキの周りに飾り 宿泊のお客様と一緒にいただきました
写真1枚目は有名な赤い屋根の小屋
すっぽりと雪のお布団に包まれているようです
2枚目は庭のツツジの枝々に霧氷が付いた21日朝のものです

節子




12月22日

連日寒い日が続いています
今朝はちょっと外に出ただけで手がかじかんで痛くなりました
朝の気温も低いですが 日中も気温は上がらず
例年よりも寒さの厳しい12月です
写真は昨日の夜明け(1枚目)
寒さは厳しいですが その分空気が澄んで 
思わず凛と背筋を伸ばしたくなるような そんな夜明けです
日が昇ってから雲が出て 太陽は雲の中にありますが 
地表は寒さのために靄が漂い
日の光が反射して 空から降り注ぐように見えました(2枚目)
太陽が昇り空が明るくなると 真っ白に霧氷を付けた木々たちが
なんと表現していいかわからないくらいに美しく
日中はくっきりと浮き出すような白い山並みがまたきれいで
日没まで目の離せない一日・・・
そんな「ギフト」のような日がひと冬に何回かあるのです

明日からまた宿が始まりお客様をお迎えしますが
天気予報は下り坂のよう・・・
せっかくのクリスマス よいお天気に恵まれるといいのですが…

節子





12月11日

8日 9日と厳しい寒さの日が続きました
9日は全道的に冷え込み 美馬牛も朝マイナス23度まで下がりました
きょうは寒さも一段落してふわふわの大きな雪が降っています
しんしんと舞い降りて 木々や大地に降り積もっていく雪の風景は
ただただ静かです

きょう 1週間ほど前に注文した玄米が届きました
無農薬 有機栽培を手がけている岩見沢市の農家さんにお願いして送っていただきました
以前から玄米を食べてみたいと思っていて ちょっと試してみようと思ったのです
箱の中にはお米の履歴書とメッセージが入っていました
以下そのメッセージの一部です
・・・・・・
いま時分は私の好きな時期の一つです。
仕事が全て片付いてほっとした気分でいられるからです。
忙しかった秋作業を終えて冬に向けてのいろいろな準備をあわただしく済ませて、
さあ、いつ雪が降ってもいいよ、といった気持ちで迎える12月ほど
心休まる時は他にありません。
・・・・・・
何気ない文章ですが
農家さんが季節や気象の変化に追われながらも
誇りと情熱を持って作物作りに打ち込んでいる姿が目に浮かぶような気がしました
安心して食べられるお米や野菜ほどありがたいものはありません
私たちの身体を育て 健康を守り 心も豊かにしてくれます
その安心して食べられるお米や野菜 魚が
今年ほど危機に瀕した年があったでしょうか
今なお続く原発の被害
森や野 子どもたちが遊ぶ大地を汚し 海へも大量の汚染水が流れています
そしてTPP
難しいことはわかりませんが
人が生きていく上で「食べる」ということは一番基本的なこと
食物を生み出す農業や漁業が軽んじられていいはずはありません
小麦が主体の美瑛の農業も大きな打撃を受けることでしょう

この世に生を受け 食べ 育ち 喜んだり 悲しんだりしながら
人としての命をまっとうできる人生でありたいと思います
でもそんな当たり前のことが難しくなってしまったと感じるこの頃
大きな流れの分かれ道のような年が暮れようとしています

そんな年に先日4人目の孫が生まれました
生まれたての子は何度見ても「赤ちゃんってこんなに小さかったっけ」と思うほど
小さく か弱いです
小さく か弱く 余分なものは何ものもまとわず
命そのものです
この命がこれから育っていく世界が
どうぞ温かく すべての人の尊厳が守られ 道理ある世界でありますように
森や野がこれ以上汚されることがありませんように
と心から願います

最近写真を撮る機会を逸していて
きょうの写真は12月4日に写したものです
とぅもろうの窓から霧氷の朝の風景です

節子