フォト日記(2011年3月)

3月29日


この冬 雪の量は少なかったはずなのに
雪解けがちょっと遅れているように感じます
それでも融雪剤の散布が始まったり 
日当たりのいい所ではふきのとうが顔を出しているという話を耳にしたり
春の気配はあちこちに感じられます
北海道では雪解けが近づくと 農家の方たちはハウスで苗の準備をしたり
融雪剤を撒いたりと今年の営農に向けての作業が始まります
東北や関東でもやはり春は慌しくも心弾む種まきの季節でしょう
でもあの地震で畑や田んぼが津波で流されてしまったり
海水に浸かってしまったり
福島では原発の影響で種まきの時期をとまどっていらっしゃる農家さんも
たくさんいらっしゃることを考えると胸が痛みます
また昨日は高濃度の放射性物質が海に流れ出す可能性もあるということが
報道されました
一刻も早い収束をと 皆祈る思いで見守っています
現場で作業されている方たちも危険な作業の中
自分たちがやらなければと不眠不休で必死に頑張っていらっしゃると聞きました
ご家族の方たちはどんなにか心配していらっしゃることかと思います
原発が危険なものと知りながら 
今まで深く考えることなく 仕方がないと諦めてしまっていた自分自身に
腹の立つ思いでいっぱいですが
電力会社や原発を積極的に推進していきた政府は
たぶん原発の危険性は十分承知しながらも
自分たちの都合を優先させてきたのでしょう
津波の被害があきらかになった後 関係者の方たちは
いろいろ生じてくる様々な事態の予測がついたことと思います
せめてその時に 利益優先 会社優先の態度を捨て
早め早めに 考えられるあらゆる手立てを取ることができなかったのかと
近隣に住む方たちの生活や健康のこと 
もしかしたら未来に禍根を残すかもしれない土壌や海の汚染を防ぐことなどを
最優先に考えることができなかったのかと
歯がゆいような 悔しい思いになるのです

テレビで 「夢であって欲しい」とつぶやくお年寄りの声が心に残りました
本当に夢であってくれたなら…

被災地で 卒業証書が流されてしまったり 汚れてしまったり
避難所で暮らすお子さんも多い中 卒業式が行われたり
授業が再開されたりというニュースを見ました
子もどたちは辛い現実や悲しみを胸に抱えながらも たくましく
明日に向かう笑顔を見せてくれているように見えました
子どもってすごいなと思いつつ
とても励まされました

写真は3月24日朝のもの
春も近いというのに冷え込んで霧氷がつきました
4枚目美馬牛小学校の手前の黒く見える畑は融雪剤の散布で
雪解けがひと足先に進んでいる様子です
 
節子




3月18日

用事があり美瑛まで行く途中のこと
空は青空なのに突然雪が舞い降りてきました
春近しと 木々の枝はほんのりと赤味を帯びていて
空の青 白い雲 生命の息吹を感じる枝々の色 
舞い落ちる雪がすべてをぼかし
淡いパステル画のように見えました
自然はこれまでも私たちにたくさんの恵みを与えてくれました
でも時に自然の営みは私たちの暮らしに災いとして降りかかってくることもあります
津波の高さは15メートルと発表されましたが
私たちの予想をはるかに超えた自然の力でした
こんな大きな津波が来ると誰が予測できたでしょう
昨日は寒さが厳しく 
避難生活を余儀なくされている人びとの地域にも雪が降っていました
悲しみと不安と寒さの中におられる方たちのところに
一刻も早く部屋を暖めるための燃料 暖かい食事が届き
 ちょっとだけでもほっと安心できるときがきますように…

今まで原発は事故があったら恐ろしいと知りつつも
日々使っている電力がどうように生まれているのか
あまり考えずに暮らしてきてしまいました
今度の地震は予想をはるかに上回る地震であったのかもしれませんが
一旦事故が起きたら 人の手で制御できなくなってしまう原子力という「火」は
やはり使ってはいけないものだったのだと思います
自然は時に人の予想をはるかに超えた営みをするのです
その営みをすべて解明したり予測することはできないのですから
「絶対」ということはありえないのだと思いました
今はただ一刻も早く収束に向けての希望が見えることを祈るばかりです

地震が起きてから日本中の人たちが落ち着かない日々を送っていることでしょう
私もテレビで被災地の様子を見たり 原発のことを心配したり
地震の被害を受けた実家のことを考えたりして
何か自分にできることがあるのではないかとあせっていました
おとといの道新に精神科医の香山リカさんの
 「あなたの力が必要」その日のために…という文章が載っていて目に止まりました

…以下抜粋…
日本を襲った未曾有の大惨事に ほとんど人たちが この災害に関する情報
おびただしい映像に接し これまでと違った毎日を送っている
直接被害に遭っていない人でもかなりリアルな疑似体験をしている
そうなると私たちの心は被災地にいる人たちに匹敵するようなダメージを受ける
被災地で実際に大きな打撃を受けている人がいるのに
助けの手を差しのべる立場にいる人が心身を病んでしまったらどうなるだろう
まずすべきことは自分で自分を守ること
そうできる人はゆっくり体を休め 食事をきちんと取り お風呂に入って体を温める
被災地の人に申し訳ないという気持ちもわかるが
「あなたの力が必要」と言われるその日の備え
自分の生活と健康を守る
それが私たちにできる最大限のことなのではないだろうか
・・・
落ち着かずそわそわと夜も眠れない
私もどちらかというとそんな状態でしたので
ここはひとまず落ち着いて
息長く 何が必要で 何ができるのかを考えてみようと思います

写真はおとといのクリスマスツリーの木
キツネの足跡がまっすぐに木へと続いていました

節子
 


3月14日

3月に入りお天気がすっきりせず 写真も撮れずに
2週間もご無沙汰してしまいました
みなさまいかがお過ごしでしょうか?
いつもでしたら 
みなさんお元気でお過ごしでいらっしゃるだろうと思いつつ
お元気ですか?と問いかけをしているのですが
3月11日 かつてないほどの大きな大きな地震が起きてしまいました
東北や関東の被災地やその付近にもとぅもろうに泊まりにいらして下さったお客様が
住んでいらっしゃいます
みなさんご無事でいらっしゃるでしょうか?
美瑛でも この20年感じたことのないほどの大きな揺れが
ゆさゆさとかなり長い時間続きました
私は家にいましたので 急いでテレビをつけると 
津波がきます 急いで海岸から離れて下さいというアナウンスが流れていて
不安なまま画面を見ていると
名取川を津波が遡り 家を車を畑を飲み込んでいく信じられないような光景が
映し出されていました
そして次々と目を疑うような海沿いの町を襲う津波の映像
日々働き 子どもを育て 泣いたり笑ったりして過ごしていた暮らし…
そして命そのものまでもあっという間に津波がさらっていってしまいました
いまだにご家族と連絡がとれない 
親が見つからない 夫 妻 娘や息子が見つからない
どんなに不安な気持ちで過ごされていらっしゃるかと思うと言葉もありません
映像を見ていると 雪の降っている地域もあります
お年寄り ご病気の方 小さな赤ちゃんもいらっしゃるでしょう
早く 余震が止み 取り残されている方の救出
 暖かい食べ物や毛布 行方のわからない方の捜索が進みますようにと
    願うことよりほかできることがありません
私の実家も茨城北部の海沿いの町です
地震当日は連絡がまったくつかず不安でいっぱいでしたが
翌日の朝 やっと高台の学校に避難しているらしいということがわかりました
父が92歳 母が88歳ですから寒さや疲労も心配でした
そのうちに何とか電話が通じ話を聞くと
家の中はタンスや食器棚などが倒れ 家の外壁はひび割れ
駐車場は地面が陥没し 周りのブロック塀はすべて倒れたそうです
津波の被害は免れ 家に戻ったものの
電気 水道 ガス すべてストップし
 食料などはお店でもほとんど売り切れで手に入らず
水以外は配給なども始まっていないので 家にあったご飯などをカセットコンロで
暖めおかゆにして食べたりしているようです
心配ですので何とかして様子を見に行きたいと思ったのですが
飛行機で羽田までは行けるものの
常磐線はあちこち被害があり 復旧の見通しがたっていないとのこと
常磐自動車道も閉鎖されたままで
あれこれ調べても途中までは行けても 実家までたどり着けそうもないので
しばらくはこのまま電話連絡だけで様子をみるしかなさそうです
福島の原発も実家から70キロほどのところにありますが
近くの方は本当に不安な気持ちで過ごされていることと思います
また電力不足で計画停電が実施されるとのことですが
昨日決めて今日からの実施では十分に情報が伝わっているとは思えませんし
病院などで停電してしまっては患者さんの命にかかわる場合もあるでしょう
とぅもろうのお客様でも在宅で人工呼吸器をつけていらっしゃる方がおられますが
もし停電してしまったら そのような方はどうしたらいいのでしょう
どうしても電力を必要とされる方が十分な手立てをする時間や
その準備の手助けが必要なのではないかと思います
本当に大きな災害であり政府も混乱しているとは思いますが
いきあたりばったりではない方策を 
国民の命と暮らしを守るということを根底に据えて
知恵を出し合って実施していってほしいと思います

節子




3月1日

毎年のことですが2月が過ぎるのははあっという間ですね
きょうから3月
全国的に寒く雪の多いこの冬でしたので
3月の声を聞き 
冬もあと少し…とほっとしていらっしゃる方も多いのではないでしょうか
昨日は朝からとてもいいお天気で
夕方 今年初めてだったのですがXCスキーを履いて
今年の年賀状に写真を載せたあのポプラまで行ってみました
ここしばらく暖かい日が続いていましたので 雪もほどよく締まり
スキーもよくすべり 絶好の雪上散歩日和
写真は歩いた順に並べてみました
玄関先でスキーは履き 林に沿って歩き始めます
とぅもろうの裏の林も 鉄道林の伐採でだいぶ少なくなってとはいうものの
 雪面に長い長い影を作っていました
その向こうにはくっきりと見える十勝岳連峰の山々
動物の足跡しかないまっさらな雪面をポプラに向かって歩いていくと
まず見えるのが一本の木
丘の上に立つ1本のカラマツです
農道の反対側にある林の木々がやはり長い影を作っていました
雪上の海…といった印象を受けます
そしてポプラの木
この冬も吹雪の日が何度かありましたが
堂々と空に向かってすっくと立っていました
ポプラを見上げてから 一本の木まで斜面を登り
目の前に広がる景色を眺めながらひと休み
ポプラの向こうには夕日が沈みかけ雪面を照らしていました
もうこの頃になると夕方の風がだいぶ冷たくなってくるので
家に向かってどんどんとスキーを滑らせていきます
振り返ると十勝岳連峰にも夕日の照り返しがあたり
ますますくっきりとした姿を見せていました
美馬牛小学校の塔の向こうには旭岳が見え
やはり照り返しで薄ピンクに染まる姿が見えました
4時10分くらいから5時過ぎまで約1時間の雪上散歩
晴れた日はお勧めです

節子