フォト日記(2011年4月)

4月30日

お天気もよくぽかぽかと暖かく 
冬の間こわばっていた体の力が ふーっとほどけるような

そんな春らしい一日でした
庭に6株あるカタクリの花が一輪咲いたので
美馬牛の森の水芭蕉もそろそろ咲いているかなとと出かけてみました
ちょうど咲き揃った感じで
これから連休中が見頃のようです
旭川の男山自然公園のカタクリも今満開とのこと
春の野草の美しい季節が巡っていました
そしてきょうはとぅもろうのオープン記念日
1993年のオープンですので いつの間にか丸18年が過ぎたのですね
その当時小学4年 中学1年 中学3年だった子どもたち
親が働く姿を見せられるのはいいことかもしれないと
勝手に決めて始めた宿ですが
親が働く姿どころか 子どもたちにもずいぶん働いてもらいました
子どもたちにとっては楽しみな夏休みも
来る日も来る日も台所でお皿洗いの日々
家族で旅行なんて一度もないままに
家族でお正月をゆっくり過ごすこともないままに
一人巣立ち 二人巣立ち…
夫と二人だけの生活になりもう何年かが過ぎました
子育て中は無我夢中の日々であまり考えずにきてしまいましたが
ふと 宿を始めてからの日々に子どもたちはどんな思いを持っているのかなと
思いました
たぶん「仕事だから仕方がないと思っていたよ」という答えが返ってくると思いますが
やり残したこともたくさんあるような気もします
できるならばちょっと過去に遡ってみたいかなと思った日でした
でも宿をやっていて良かったことはたくさんあります
オープン当時は私たちの生活の中にお客様をお迎えするような
そんな気持ちで始めた宿でしたので
たくさんの方たちに子どもたちの成長を見守っていただきました
暖かい眼差しをかけていただいたり 何かと気にかけていただいたり…
お客様に支えられていたんだなぁと
オープン記念日にいろんなことを思い出しました
明日からは19年目
健康に気をつけて 初心を忘れずに歩んでいきたいと思います

節子




4月22日

桜?!
美瑛の写真ではありません
先週茨城の実家に帰っておりましたので そのときのものです
1枚目は心うきうきするような濃いピンクのしだれ桜
小学生の子どもたちがランドセルを放り投げて
うららかな日差しの中遊びに興じてしました
2枚目は色は薄いけれど桜と言えばソメイヨシノ
満開の桜の下ではやはり小学生たちが記念撮影
新学期らしい風景です
ソメイヨシノの学名は「Prunus X yedoensis Matsum」というらしいのですが
最後についている「Matsum」というのは
命名者である植物学者の松村任三博士から来ているそうです
松村任三博士は私の生まれ故郷の出身です
この写真の桜も松村博士の生家の近くに咲いている桜です
いつもの年と同じように桜は満開
まさに春爛漫の風情です

1ヶ月近くに及ぶ常磐線の復旧工事が終わり電車が通ったので
やっと帰った実家ですが
行って見ると 多くの家の瓦屋根が棟と呼ばれる頂部を中心に崩れ
ブロック塀や大谷石の塀はほとんどの家で崩れ
道路や歩道 駐車場なども所々地盤沈下して陥没し
お墓では墓石が軒並み倒れていました
また家々には町が行った家屋の危険度の調査済みの張り紙が張られ
「危険」の赤い紙が張られているところも多くありました
先週の半ば位まで余震は頻繁にあり
町を歩いていても 傾いた家が倒れてくるのはないかと不安でした
停電や断水などはほとんど復旧し日常生活は送れていますが
頻発する余震
いつ大きな余震がやってくるか 日夜怯え
海沿いであるために津波の不安も大きく
さらに原発にも近く ほうれん草などが基準値を超え
放射能被害への様々な不安
さらに壊れた家屋などの修理の経済的な負担
商売もままならないところもあり
地震の爪あとの計り知れなさに
私は暗澹たる思いになりました
津波に流されたり 家屋が全壊したりという大きな被害には遭わなかったところでも
地震の影響は重くのしかかっています
まして大きな被害に遭われたところでは
どんなにか大変な日々を送られていることだろうと思います

美瑛に帰ってきましたらすっかり雪も融け
畑の畦などにはたくさんのふきのとうが顔を出していました
小さいうちに摘んでふきのとう味噌を作ろうと思います
また昨日は 昨年施設が借りられずに作れなかったソーセージ作りをしました
美瑛産豚肉に塩とハーブ 香辛料だけのシンプルな味です
出来上がった数はなんと1000本!
真空パックにし 冷凍保存しました
とぅもろうは今月29日から営業を再開します
宿泊のお客様が心安らいでいただけるような宿でありたいと思っています

節子




4月10日

連日の晴天で雪解けが急速に進んでいます
庭では水仙やカタクリも芽を出し
小鳥のさえずる声も春が来たことを告げているようです
ここ数日は毎年恒例の味噌作りでした
宿仲間と一緒に米を蒸し麹を仕込み
大豆を茹で 最後に塩とつぶした大豆と麹を混ぜ樽に入れて出来上がりです
1年後にはおいしい味噌が出来上がりますが
今さらながら先人の知恵には感心させられます
おいしくて 良質なたんぱく質などが手軽に取れ
冷蔵庫なしで長期保存も可能!
究極のエコ食品なんだなぁと改めて思いました
今年で多分19回目の味噌作りだったかな〜と思いますが
これも農家さんが米や大豆を作ってくれたお陰です
私たちは今年も今までと同じように味噌作りをすることができましたが
東北の被災地 福島や茨城の原発の周辺地域では 
米作りはできるのだろうか
漁はできるのだろうか
今まで繰り返してきた日常の営みができなくなるということは
本当に辛く大変なことだろうなと胸が痛みます

今月初め とぅもろうのお客様で地震被害の大きかった所にお住まいの方に
お葉書をお出ししました
こんな大変なときにかえってご迷惑ではないだろうかと思いつつお送りしたのですが
2日後くらいから 
七里ヶ浜 石巻 仙台 名取 東松島 ひたちなか 釜石などの方から
 「葉書着きました」というお電話やお葉書 メールが届いて
家のすぐ近くまで津波がきたけど なんとか無事でした
友達や親戚が津波で亡くなって・・・
自宅は無事だったので津波で家を失った友人を呼び寄せています
20日ぶりにお風呂に入りました
水道が復旧したのもつかの間 放射能による水道汚染で
また水の確保に走り回らなくてはならなくなりました
銀行に勤めているので 通帳などの喪失届けの手続きでてんてこ舞いです
などなど いろいろな大変な状況をお聞きしました
 何より無事だったよという連絡が嬉しかったです
そして「葉書が嬉しかった」と言っていただけたことが嬉しかったです
美瑛町でも
町営住宅や大雪青年の家などで被災者の方の受け入れの準備が取り組まれ
また有志の方がジャガイモや学用品などの支援物資を車に積み
ボランティアに出発しました
私たちも何かできることがあればと思っています

節子




4月2日

連日の晴天と暖かさで雪解けが急速に進み始めました
まだまだ白い大地のところもありますが
写真一番上のように融雪剤が撒かれたところでは
雪の下から秋蒔きの小麦が もう緑色になって顔を出しているところもありました
畑の際の用水路では 雪解け水がザーザーと音を立てて流れ
長かった冬に終わりを告げる春の音だなぁと聞き入りました
いつものように季節はちゃんと巡ってきました
早春の空気はまだ寒くはありますが 清々しく
晴れ渡った空は気持ち良く澄んでいます
 わくわくと迎える春ですのに やはり心が沈んでしまうのは
皆さんも同じかと思います
でも地震被害に遭わなかった私たちは
一日も早く心の落ち着きを取り戻しましょう
そして元気を蓄えておかなくちゃと思います
これから息長く被災地の方たちに心を寄せ
何か自分にできることがあれば行動する
その日のために…


節子