フォト日記(2011年6月)

6月23日

今年はいつになく雨が多く
今夜もトタン屋根をたたく雨音がしています
西日本や関東 そして東北も暑い日が続いているようですね
暑さに身体が慣れない今の時期は 特に暑さが堪えること思います
また被災地でも 電気や上下水道の復旧が進んでいないところ
地盤沈下で浸水が続いている地域 また瓦礫の撤去も思うように進まない中
豪雨や暑さが襲い本当に大変なことと思います
どうか今年は少しでも涼しく過ごしやすい夏であって欲しいと祈るばかりですが…
また原発も収束の見通しがつかない中 不安は増すばかりです
今こそ社会の在りよう 生活の在りようを見つめ直し
 原発に頼らない社会へと舵を切り 知恵を出し合って行かなければならない時だと思うのですが
政府からは「停止中の原発の再稼動を」という信じられない話も出て耳を疑いました
今すぐに全部の原発を廃止することは無理なことなのかもしれませんが
脱原発に向けて決意し 今一歩を踏み出さなければと思うのです

先日読んだ新聞にコラムニストの天野祐吉さんが
『暮らしの形 考える議論を』というコラムの中で
「原発のいらない暮らしのサイズ」という言葉を使っておられました
「暮らしのサイズ」という言葉が私にはとても新鮮でわかりやすく感じました
いつからだったのか 世の中の進み方がどんどんと早くなり
便利なものもどんどん売られて それでは私もと使い始めたと思ったら 
もっと新しいものが発売される
時代に遅れまいとしているうちに どんどんと暮らしのサイズが肥大していく
個人レベルでも 社会レベルでも 本当に必要なものは何なのかを考えていく上で
「暮らしのサイズ」という表現が具体的なイメージを描きやすくてとてもいいなと思ったのでした

写真はとても天気の良かった17日に写したもの
今年は山の雪解けが遅く まだ沢筋に雪が残っています
旭岳ではロープウェイの終点姿見の池駅周辺の散策路でも 
まだまだ雪深いとのことです
高山植物のお花の見頃も少し遅れるのかもしれませんね

 節子




6月17日


真夏のような暑い日があったかと思うと
今週前半は雨模様の日が多く 気温も低くて2、3日前はストーブを焚きました
やっと昨日から青空が戻り 気候もよく北海道らしい爽やかなお天気です
いつもは5月の終わり頃に咲くレンゲツツジが今年は6月に入ってから咲き
マーガレットに似た白い花も咲き始め 木々や草の緑とツツジのオレンジ そして白い花とが
初夏の雰囲気を漂わせています
雨が降ると次の日には草もびっくりするくらい伸びていて 庭に出て草むしりをすることが多くなりますが
じっと下を向いて地面だけを見つめ草抜きをしていると
いろんな音が耳に入ってきます
カッコウの声や オオジシギの羽音 エゾハルセミの大合唱に蛙の声
6月初めは美馬牛小学校から運動会の練習の声
そして運動会当日はリレーを実況中継する先生のアナウンスが聞こえました
耳だけで聞いているといろんな想像が浮かんできて
またアナウンスの先生の暖かい気持ちが風に乗って伝わってきて
これも悪くないなぁと思いました
先週の土日は富良野線に一年に一度SLが走る日
旭川ー富良野間 一日一往復が走りました
外で庭仕事をしながら また厨房で食事の準備をしながら
シュッシュッシューという駅に停車する時の蒸気の音
ボーーーという汽笛のびっくりするくらいの迫力のある音
汽車が駅を出発して間もなく匂ってくる石炭を焚く煙の匂い
たぶん目で見るより迫力があるのではと思います
特に私たちは子どもの頃の懐かしさもあるので
耳だけで感じるほうが郷愁が沸くのかもしれませんね
五感といいながら多くは目に頼ってしまいますが 耳を澄ませる時間もあってもいいなと思いました

先日新聞でまもなくテレビのアナログ放送が終わるという話から
今までアナログ放送ではラジオでもテレビ放送を聴くことができたのだけれど
デジタルになるとラジオでは聞けなくなってしまうということが出ていました
私も知らなかったのですが
多くの視覚障害の方たちはラジオでテレビ放送を楽しんでいらしたそうです
それがアナログ放送が終わってしまうと聞けなくなってしまうとのこと
情報を得たり また楽しみにしていたテレビ放送が一方的に打ち切られてしまうのは悲しいことです
アナログ放送終了は テレビの買い替えやチューナーの新たな設置
また場所によってはよく見えないところもあるなどいろいろな問題が指摘されてきましたが
視覚障害の方たちにとっても大きな問題だったんだなぁと初めて知った記事でした



レンゲツツジ
黄色い花が咲く木が弱っていて
何年か花をつけなかったのですが
今年久しぶりに花が咲きました



ラナンキュラス
かさかさの花びらが幾重にも
重なり合って
とてもかわいい花です



ライラック
毎年一房だけしか咲きませんが
余計に愛らしさが際立ちます


節子




6月9日

昨日は急に暑くなり 上富良野町では30度 美瑛でも28度になりました
つい1週間ほど前まで夜になると肌寒くストーブをつける日もあったのですが…
6月6日7日の2泊 「美瑛ちょこっと旅プレゼント」という町内有志の企画で
震災で被害の大きかった石巻で避難所生活をされている方を
美瑛にお招きしました
総勢60人近くの方々が町内のペンションやホテル10軒に分宿し
レストランやカフェ 農家さんはじめ様々な方たちの協力
またカンパを寄せてくれたたくさんの町民の方の協力で
行き帰りのフェリー泊を含めると4泊5日の旅を楽しんでいただきました
私たちも個人では何か形になるものをと思ってもなかなかできませんでしたが
この企画に参加させてもらい 4人の方たちをお迎えし
ゆっくり休めるベッドと心置きなく入れるお風呂
美瑛の初夏の味を取り入れた暖かいお食事を召し上がっていただきました
昼間はボランティアさんが美瑛の見所を案内して下さり
またレストランの方たちがおいしい昼食も用意して下さいました
3日間は空もすっきりと晴れ渡り まだ残雪の残る十勝岳連峰も雄大な姿を見せ
美瑛の景色も堪能していただけたかと思います
呼びかけ人の方が
初めてこの企画に向けての集まりを開いたのが5月18日と聞きました
それから何とわずか2週間後に実現したこの企画!!
実行委員の方たちは本当に大変なことだったと思います
石巻の方たちは美瑛滞在の3日間 美瑛の風景とたくさんの町民と交流し
また大変な思いをされている日常から離れ
少しでも疲れを癒すことができたならば
とても意味のあることだったのではないかと思います
昨日最終日は参加者みんなでバーベキューを囲み
双方別れを惜しみながら 再会を約束して
みなさん笑顔で帰途に着かれました
とぅもろうに泊まって下さった方は参加者最高齢の83才の方をはじめ4人の方たち
未だに下水道が復旧していないため 不便な仮設トイレを使い
雨でも大風の夜中でも外に出なければならなかったり
布団も敷布団がなく毛布だけで休んでいらっしゃるとのこと
震災についてはあまり多くを語られませんでしたが
美しい石巻の海岸で育った楽しかった思い出や
どら焼きの工場で働いていらした方は 美瑛の大きな小豆に感心して
あんこ作りのノウハウを語ってくださいました
泊まりあわせた方たちともお話が弾んで
楽しいひとときを過ごしていただけたのではないかと思います
お帰りになる日の朝 石巻の現状をお話下さったのですが
「普通の暮らしでいいんです でもその普通の暮らしが程遠い・・・」
とおっしゃられていたのが心に残りました

お泊り合わせた方たちと
笑顔がはじけたひととき

現状をお聞きすると 復興への道のりは本当に大変なことと思います
一人一人の力ではどうすることもできないことです
こんな時こそ国や自治体が力を合わせて
一日も早く「普通の暮らし」を取り戻すことができるよう
最大限の援助や施策を実行してほしいと思います

虹の写真は5日の夕方 とぅもろうの窓から写したもの
久しぶりに大きな大きな虹を見ました

節子