フォト日記(2001年4月)


4月29日


昨日あんまり天気がいいので お客さんと娘と3人で美馬牛の森に行ってみました
美馬牛の森は美馬牛小学校の真向かいにある小さな自然林で
森の中を木道がぐるっと1周回っていて 
小学校の子ども達が自然観察に訪れたりしています
森の中に足を踏み入れると 土の上は長年積もった落ち葉でふかふか
福寿草が木の間から射しこむ光にむかって花を広げたり
ザゼンソウがひっそりと咲いていたり
小鳥のさえずりも聞こえて森の春の気配がいっぱい
いつもは子どもの日の頃に咲き始める水芭蕉も
もうひとつ ふたつ咲き始めていました
今年は本当に暖かいですね

節子



4月24日

先日起こしたばかりの大滝さんの畑とその向こうの美馬牛の森の木々
写真家の菊地晴夫さんのギャラリーに夕陽の照り返しが射し
はっと息をのむ美しさでした。
畑に写る木の影は はるか手前のとぅもろう裏の鉄道林
長い長い影でした

節子



4月22日
 

明日は雨か雪の予報が出ている日の夕方
夕陽が西に傾きかけた頃
大滝さんの畑では緑色のトラクターが畑を起こしている
えんどう豆を蒔く準備だろうか
一往復するたびに 乾いた茶色の地面が
しっとりとした濃い茶色へと変わっていく
この時期 まだまだ雪をいただく白い山と
日に日に鮮やかに変わっていく小麦畑
待ち焦がれた春耕でその色を変える大地と
その変化が美しい季節だ
                 
行輝



4月21日

初夏のような陽気が続き川辺リの柳がうっすらと芽吹きはじめました
旭川ではかたくりの花も咲き始めたとか
急速な春の訪れ・・と思ったら 昨日は一転してみぞれまじりの雨が降り
寒くて薪ストーブに火を入れました
とぅもろうはゴールデンウィークを目前に 部屋の補修工事や 
冬の間伐採した木を薪にするため チェーンソーで40センチぐらいの長さにカットし
斧で割るという作業に追われています
薪割りは今のところ息子や娘の役割
スパッと割れた時気持ちいい と息子
娘もけっこう上手に割っています
                  
節子



4月17日


美瑛まで買い出しに行く時によく通る道があります
冬の間は除雪されない道のため通ることができず
きのう 5ヶ月ぶりに通りました
「久し振りだね。元気だった?」 という感じで
古い友達に会った時のように懐かしく これも春の楽しみかなと思います
今月の初め顔を出し始めたふきのとうは
あっという間にあちこちに出てきて あっという間に成長していきます。
春の楽しみのひとつのふきのとう味噌は
まだ固く小さいつぼみ状態のものを採って茹で 甘みそと合えるというもの
春の香りとみその味がご飯に合って 食がすすんでしまいます
この間メールで 近くにおいしい中華料理屋さんができて最近中華ビール太りです
とお便りをくださった方がいるのですが
私はふきのとう味噌とご飯で太ってしまいそう
気をつけねば・・とおもうこの頃です
                  
節子



4月15日

春霞の向こうに十勝岳連峰が見える
畑の雪はすっかり融け
はやしの中では鳥たちが陽気なさえずりを聞かせてくれる
上空ではトビが野ねずみをねらい 円を描いている
昨年植えた白樺の苗木が雪の重みで折れた
私の都合で植えて 命を奪って心が痛む
                 
行輝



4月13日

こちらはきのう きょうと雨模様
5ヶ月近く雪ばかり見ていたので 雨はなにか不思議な感じ
春の雨にぬれて 白樺の白い幹がより白く際立って見えました
 
写真は室内で咲いたナスタチウム
和名はきんれんかで、花も葉もピリッと辛く お料理にも使える花です
毎年とぅもろうの夏の花壇を彩ってくれます
去年の10月末 植木鉢の近くにこぼれ種を見つけ 室内に植え替えました
長い冬の間 弱々しいけれど枯れもせず でも成長しても花はつけないだろうなと思っていたら
びっくり!
蕾も沢山出てきて、思いがけない嬉しい出来事でした
                     
節子



4月10日


昨日からの暖気で 畑は模様替えを早めている
白から茶 そしてうっすらと秋蒔き小麦の黄緑も見える
白い布団に守られた大地が 今 眠りから醒めようとしている
   
行輝

4月はじめから1週間 横浜 川崎そして故郷の茨城へと出かけてきました
川崎はわたし達が12年間暮らしたところ
娘と二人 住んでいた団地や よく遊びに行った公園 通っていた小学校や
お世話になった方々の家を訪ね 懐かしい思いでいっぱいでした
どこにいっても桜は満開 自然は少ないけれど ところどころに小さな林や森があり
それが家並みと調和してほっとする空間が作り出されている
そんな都会の春を楽しんできました
帰ってみると こちらも雪解けがすすんで しっとりとやわらかい土の色と
残っている雪との縞模様に 春を実感しました
    
節子



4月2日

うららかな春は厳しい冬のあとから来る
かわいいふきのとうは霜の下で用意された

学生時代好きだった宮本百合子の言葉が実感できる北海道に移り住んで
きょうで丸10年を迎えます
1991年4月2日 決まっているものは小さな借家と子ども達が転校する学校だけ・・
という状態で東京湾から北海道に向うフェリーに乗った私達家族5人
夫の職場の人たちが20人位真夜中のフェリーターミナルに見送りに来てくれ
「頑張ってね−!」という声が暗い海にいつまでも響いていました
生活習慣も違う見ず知らずの土地の生活は
大人以上に子ども達は大変だったことと思います
いろんな思いをして それぞれの道を歩き始めた子ども達
わたし達も宿という仕事に恵まれ 泊まりにきてくださる方たちから
「人間っていいな、すごいな」 と思えるたくさんのやさしさと勇気をいただくことができ
本当にしあわせだと思います
春はいろんなことを振り返り また明日への1歩に希望をふくらませるそんな季節
ふきのとうも 南斜面のあたたかい場所にひとつふたつと顔を出し始めました

節子